会田誠展『GROUND NO PLAN』
みてきました。
よかった。
新・新宿御苑をつくろう!みたいな構想を大真面目にふざけながら真面目に考察するみたいな内容でした。
個人的に、すごいざっくばらんに言うと、作品(美術に関わらず)の楽しみ方って、そこに込められてる情報量を読み取る時間を楽しめることだと思うんですけど。
情報を読み取るため、感じ取るために、まず文化の土台を知らないといけないんですよね。意識的にせよ無意識的にせよ。
でも、美術の場合だと特に、長い時間かけて出来たものなので、どんどん専門化されていって、土台そのものが巨大化(歴史とか人の師弟関係とか記号の捉え方とかもうほんとたくさん)しているので、情報の匂いすら感じ取れない場合が多いと思うんです。
昔は、その土台は、触れる人みんなの一般常識だったはずなんですが、今の社会だと全然一般化できないので。
それもまた別の問題としてありますが。
あとその文化の中だけの文脈で作られるものたちの話もあるんですけど、それもまた別の機会に。
会田誠さんは、当然ある自分の土台と、美術の土台も含めて、今の時代にわかりやすく変換し続けてる人なんです。
他の文化の文脈に無理やりぶち込んだり(どっちへのリスペクトと滑稽さも理解した上で)、入れ替えたり、全部言葉にしてみたり。
一見直情的に見えるんですけど、戦略としてやってるのがすごいずるいんですよ。見やすいから情報量が多い。
そして美術の土台もたぶんきっちりと落とし込んでる(ほぼ見えないところまでも)。
美術の技術と知識がガッツリある上でやってるのだから強い。
正しい意味での、ある意味文字通りの現代美術家なんだなと思いました。
真面目にふざけている人です。
多分僕は、真面目にふざけてる人が好きなんだと思います。
なんの話かわかんなくなっちゃいましたが。
いいですよ。会田誠。
エログロ耐性が必要な作品もありますが。あと変に怒らない人。
楽しむ楽しまないより前の(個人の自由ですし)、立ち止まらせてくれる作品がたくさんある人だと思います。
そういう根本のところを真面目に考えてくれてる人だと感じてます。